Q&A~どの歯が一番いいの?後編

さて前回は白い歯と銀の歯のメリットデメリットを簡単に説明してきましたが、どちらがいいのか、判断基準は患者さんと医療者側で若干ズレがあると感じます。

「銀でも気にしないからいいよ」「今まで銀歯壊れたことないから同じでいいよ」

「どちらでも咬めればそれでいいよ」

歯の治療なんてどれもそんなに違いはないだろう、と単純に判断するのはもったいないことだと思います。昔抜いた奥歯も、いい材料でいい被せ物をしておけば抜かずにすんだかもしれないからです。

 

被せ物の必要条件は色、頑丈さのようなわかりやすいものだけではありません。むしろもっと大事なことがあります。それは残っている歯と被せ物の隙間をいかになくしていくか、被せ物の強度、物性をいかに歯に近づけ一体化させるか(適合をよくする)、ということです。医療者側が最も優先しているのは残った歯にいかに負担をかけず長持ちさせるかということなのです。歯を守るため歯にぴったりの被せ物をつくる、そのためにきれいに削る、精密に型をとる、剥がれづらい接着剤と使う、など、全ての工程でクオリティの高い治療が必要になります。

 被せ物の中身は見えるところではありませんが、セラミックと銀の歯では使用材料、適合精度に明らかな差があります。

見えない部分に隙間が生じるとそこからむし歯がはじまり、また歯の再治療、最悪抜歯にもなりかねないのです。

 

さて保険の適応も近年は大分緩和されてきて、奥歯でも白い歯が保険で適応されるようになってきました。ただ白い歯といっても上記のセラミックとは違い強度など劣るので、噛み合わせが強い方、歯が小さい方にはお勧めできません。被せてもすぐ割れたり擦り減ってしまった場合、入れて2年たたないと保険は使えなくなります。

 また被せ物のふちに汚れがたまりやすいので、3か月ごとのメンテナンスは必須となります。意外と気づかない方が多いのですが、この保険の白い歯の歯茎だけ赤く腫れている場合が多いのです。

 

以上のメリットデメリットをふまえ、ご自身に一番適した治療をしていきましょう。

 

 

masuishika 焼津市 和田の歯医者さん

静岡県焼津市田尻330 増井歯科