今回講師としてお招きしたのは鶴見大学の教授で予防歯科学の第一人者で在らせられる花田信弘先生です。
花田先生は歯を削ったり歯肉を切ったりする外科的要素が強い歯科の現状を見直し、病気にかかる前に生活習慣や食習慣を変え予防を心がけようという予防医学を推進していらっしゃいます。
予防というと歯磨きが一番最初に浮かんでくることが多いと思いますが、それだけでは徹底した予防とはいえません。
歯磨きは最低限の生活習慣であり、口腔内の多用な細菌を駆除するためにはプロフェッショナルなトリートメントが必要です。口腔内は生体で最も多用な菌層のあるところで、その細菌の種類は腸管より多いとされています。その多用な菌が歯面に何層にも重なっているのですから、人間の手だけではとても対処しきれません。
定期健診でクリーニングを行えば一時は減菌できます。しかし時間がたつと唾液の粘性をもとに再び菌層が折り重なってくるわけです。
そこでプロフェッショナルトリートメントの際に薬液で口腔全体を消毒します。消毒液はそのままでは唾液とともに流れてしまうので、マウスピースを用い無駄なくムラなく塗布できるようにし、そのまま数分おきます。このように徹底除去することで、一時的な減菌より良好な予後が期待できるということです。
今まで歯肉を切るのに抵抗があった方もこれで切らずにすむかもしれませんね。
当院でも取り入れていきたいと検討しております。
静岡県焼津市田尻330 増井歯科